<講演の要旨>
●子どもを取り巻く性の現状
・インターネットの普及により、性の情報源が低年齢でも取得しやすくなってる。
・性の低年齢化が進み、山口県をはじめ全国でも未成年の中絶が起きている。
・山口県は以前、中絶件数が全国を上回っていた。今はかろうじて全国平均を下回るようになったが、性感染症の面ではまだまだ全国平均を上回る状況が続いている。
・思春期の感情が不安定な時期は、自己肯定感が低くなる傾向にある。自己肯定感が低い子どもの方が、性のトラブルが起こる傾向にある。
・家庭でしっかりと会話ができている子どもは性のトラブルに巻き込まれにくい傾向にある。
●自己肯定感(自尊感情)を高める取り組み
・離乳食の時期から食卓を囲んで一緒に食べ、子どもに親が食べている姿を見せる。
・手づかみの食事でも、子どもが「食べたい」という感情の発露を大事にする。
・会話をすることが何よりも大切
・保育園、幼稚園に入るようになったら夕食で一家だんらんの場を作る。
・中・高校生になると部活や塾で忙しくなるが、そんなときもできれば孤食を避け、傍らで話を聞いてあげる。
・防災情報でどこが危険かを知るように、できれば早いうちから「正しい性の知識」を知る機会があるといい。
●性の話を始める時期
・子どもが興味を持ち始めたころにはじめる。
・幼児には体のことを正しく伝える。
・子どもの質問に対して、どうして知りたいのか逆に質問をしてみる。(どうして知りたいの?)
・子どもの思いにシンプルに回答をする。(あれこれと聞かない)
●命の安全教育
・幼児期から自分の体は自分だけのものであり、大切にすることを教える。
・プライベートゾーンについて教える。
(水着で隠れるところ、口のまわりは見せたり触れさせたり、勝手に触れていいものではない)
・愛着形成は生まれたときから始まる。命の始まり(出産)について語る機会を設ける。
兄弟の誕生や、知り合いの出産ときがチャンス。(「あなたが生まれたときには~~だったのよ。」)
●本の紹介
①幼児期向け
「だいじ だいじ どーこだ」
「あっ!そうだんだ!わたしのからだ 幼児に語る性と生」
「ようこそ!あかちゃん せかいじゅうの家族のはじまりとおはなし」
「コウノトリがはこんだんじゃないよ!」
「とにかくさけんでにげるんだ わるい人から身をまもる本」
「ぼくのはなし」
「わたしのはなし」
「いいタッチわるいタッチ」
「おちんちんのえほん」
②小学校低学年から中学年ごろ
「げっけいのはなし いのちのはなし
「おんなのこだから」
「子どもを守る言葉「同意」って何?YES、NOは自分が決める!」
「サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える 「性ってなに?」」
「あっ!そうなんだ!性と生 - 幼児・小学生そしておとなへ
「おちんちんの話」
③小学校高学年から中学生以上
「ココロ・カラダ不思議なつながり」
「女の子、はじめます。:ココロとカラダの成長ログ」
「ジェームズ・ドーソンの下半身入門:まるごと男子!読本」
「マンガでわかるオトコの子の「性」」
④保護者
「子どもと性の話、はじめませんか?からだ・性・防犯・ネットリテラシーの「伝え方」」
「おうち性教育はじめます一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え」
「わが子に伝えたい お母さんのための性教育入門」
「先生と親のためのLGBTガイド:もしあなたがカミングアウトされたなら」
「21世紀の「男の子」の親たちへ-男子校の先生たちからのアドバイス」
「メグさんの女の子・男の子からだBOOK」